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㉒運輸|清水コンサルティング・グループ株式会社|東京

値上げ続く宅配、自助努力問われる
業績悪化の海運大手は立て直し急務

宅配事業者が業績を急回復させている。主な要因は人手不足への対応を名目とする運賃引き上げだ。大手各社は2018年に引き続き、19年も配送単価の上昇を見込む。値上げ分を配達員確保に必要な待遇改善など現場改革に充てるとしてきたが、一方的な値上げには顧客から不満の声も上がる。体質強化に向けた自助努力も問われそうだ。

宅配を巡っては人手不足による従業員の負担軽減を理由に、最大手のヤマト運輸が17年から荷物数を減らす「総量抑制」を導入した。同時に、大口の法人顧客と値上げや荷量調整などの交渉を進め、17年10月には27年ぶりとなる個人向け料金の引き上げにも踏み切った。佐川急便と日本郵便も18年春までに値上げで追随した。

一連の対策で各社の収益は改善した。18年4~9月期決算で、ヤマトを傘下に持つヤマトホールディングスの純損益は前年同期の120億円の赤字から一転、99億円の黒字に急回復。日本郵便は
171億円の赤字から191億円の黒字に、佐川急便も15%増の191億円となった。

業績回復でヤマトは19年から取り扱う荷物数を再び増やす方針を掲げている。ただし、荷物の総量抑制を強いられた轍を踏いまないためには、十分な配達員の確保が不可欠。同社は夜間を中心に配達する人員を20年3月末までに1万人確保する計画だ。

19年は、地域の配送拠点から最終目的地である自宅までの配送を指す「ラストワンマイル」を効率化する取り組みも注目だ。代表例が、鉄道やバスなどの乗客と一緒に貨物を運ぶ「貨客混載」サービス。国土交通省が過疎地を対象に17年9月実施した規制緩和を追い風に、物流大手が各地で事業に乗ぴ出している。

コンテナ統合、出足で失速

海の物流では、日本郵船、商船三井や川崎汽船の海運大手3社の業績が悪化している。最大の原因は3社のコンテナ船事業を統合して18年4月から営業開始した新会社の不振。120億円の黒字を見込んでいた19年3月期の最終損益は、約670億円の赤字になる見通しだ。

規模が競争力を左右するのがコンテナ船事業。統合で荷主との価格交渉力も上がるはずだったが、寄り合い所帯の新会社は営業開始当初から現場が混乱した。そのため荷主がほかの事業者に流れ、契約獲得や貨物量が想定を大きく下回った。

高水準で推移している海上輸送の需要を取り逃した上、19年は米中貿易摩擦で先行きへの懸念も一段と増す。早急に事業を立て直せるかどうかが大手の命運を握っている。

統合新会社がサービス開始

 海運大手3社によるコンテナ船事業の統合新会社「オーシヤンーネットワークーエクスプレス(ONE)」が動き出す。2018年1月にシンガポール本社がオープンし、4月からサービスを始める予定だ。世界シェア約7%の6位と、世界上位との差はあるが、効率性を高めて世界大手と戦っていく方針だ。 

コンテナ船事業は市況の変動が激しく、2017年3月期には各社が赤字を計上するなど業績の重しとなっていた。各社はこれを切り離すことで、収益の安定を図りたい考えだ。 

 
 
ただ、各社の売上局の3分のI~2分のIほどがなくなり、売り上げ規模が小さくなる。また好況期に利益の押し上げ要因になることもなくなる。そんな中、日本郵船は郵船ロジスティクスを完全子会社化し、物流事業を強化する。商船三井はLNG(液化天然ガス)船事業などを強化する考えだ。各社はより一層、今後の収益源を確立していくことが求められていきそうだ。

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